【対談記事】内田 雅章 × 川原 猛
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成長企業発掘人・内田雅章氏と、弊社代表・川原猛の対談記事です。 (書籍 『すごい!ビジネスモデル2』 掲載)
経営理念の確立と実践でV字復活
内田:経営改革がそこから始まったわけですね。
具体的には何をされましたか。
川原:まず初めに、会社の存在意義を明確にするため、経営理念の確立に着手することにしました。
会社を再建するために必要なのは、目先の売上げではなく、経営理念の確立だったのです。
恩人である部長さんに経営コンサルタントを紹介していただき、幹部と一緒に時間をかけ、じっくりと経営理念を確立しました。
それは、「顧客のためにより良いサービスを提供し、社会から必要とされる企業であり続けると同時に、従業員全員の物心両面における幸福を追求する」というものです。
内田:「売り手よし 買い手よし 世間よし」、三方よしの精神が込められているのですね。
その後は理念に沿って、経営改革を推し進めていったわけですか?
川原:はい、「顧客」のために自分たちに何ができるのか?
どうすれば「顧客」は満足するのか?
改めて問い直した結果、反響(レスポンス)を出すことに尽きるという結論に至りました。
反響(レスポンス)を出すためには、しっかりとした現場管理、すなわち徹底した品質管理が必要です。
当時、社員が日替わりで午前中だけ各営業所に出向き、配布スタッフを送り出した後は無人になっていましたが、各営業所に社員を常駐させ、毎朝の朝礼も実施するように改めました。
いつの間にか内勤スタッフと現場スタッフの間に見えない溝ができ、双方のコミュニケーション不足によるトラブルが相次いでいたからです。
また、配布スタッフの報奨制度も改めました。
稼働数だけで評価するのでなく、配布カバー率(世帯数に対する配布実績)や反響(レスポンス)結果、すなわち「質」を重視するようにしたのです。
とりわけ、反響(レスポンス)結果のフィードバックは、配布スタッフのモチベーションを上げるだけでなく、不正を抑止する効果もありました。
営業所の壁に反響結果が大きく貼りだされるため、毎回のように成績下位が続くスタッフはいづらくなって、自然と辞めていく流れになったのです。
さらに、不正防止を強化するため、専任のチェックマンによる抜き打ちチェックに加え、新たに「GPSロガー」を導入しました。
これにより、1日のスタッフの移動ルート(軌跡)をこと細かに管理することが可能となったほか、新人スタッフの研修指導にも大いに役立つことになりました。
内田:そのほかに何か取り組まれたことはありますか?
川原:快適な職場環境を整えるため、すべての営業所を移転またはリフォームし、毎朝5分間、全員で清掃をしてから朝礼を実施するようにしたり、社員の誕生日には全員で500円ずつ出し合ってプレゼントを贈るなど、些細なことですが、いろいろ新たな取り組みを実施していくと、離職者が出なくなってきました。
実際、コトブキ退社以外での離職はゼロになりました。
そして気が付けば、売上半減で経営危機に瀕したあのときから3年、ようやく過去最高売上を更新することができ、V字復活を果たすことができたのです。お客様の声に耳を傾け新サービスを考案
内田:しっかりした経営理念をもち、その実践のための取り組みを進めている会社だということがわかれば、離れた顧客も戻り、新規の顧客にも信頼してもらえるようになったということですね。
その後は事業の幅を広げていかれたようですね。
川原:ポスティング中心であることには変わりありませんが、チラシデザインや印刷も手がけ、制作から配布までワンストップのサービスが提供できるようになったほか、必要に応じて新聞折込や街頭配布を提供することもできるようになりました。
また、お客様の声に耳を傾け、お客様の「困った」を解決するために新サービスも登場しました。
たとえば「人手が足りない」という飲食店の「困った」を解決すべく、求人チラシの制作とポスティングがセットになった『求人ダイレクト』というサービスを企画したり、居酒屋を展開するお客様から「法人の団体客が欲しい」と相談されれば、店舗周辺の法人リスト、ダイレクトメールの制作、発送までワンストップでネット注文可能な『SUPER DM』というサービスをリリースさせていただきました。
これからも紙媒体による販促のプロとして、お客様の声に耳を傾けながら、有益で必要とされるサービスを提供していきたいと考えています。
内田:常に顧客の利益になることを優先して考えておられますね。
それこそが御社のビジネスモデルの凄いところだと思います。
本日はありがとうございました。